-ポエム12♪『うまい棒作戦』'05 04 01これは、ある少年が、念願のバイオハザード4を手にいれるまでの物語を描いたポエムである。 もちろん、これは紛れもなく実話である。 ・・・・ 時は4月1日。少年は『中学3年生へ進学』という嬉しい事実が叶い、さらに休みを満喫していたのだった。 そこで少年には買いたいものがあった。それはバイオハザード4。 バイオ系の最新作であり、GC史上の最高傑作でもあるバイオハザードを、少年は欲しくてたまらなかった。 ところが、今作は定価8160円とかなりの高額。購入するには多額の貯金をおろさなければいけない。 しかし少年は心に決めていた。 「ちょうどいい。これを使おう」 それは昔、なにかの記念に自分で買ったのかもらったのかをして入手したIEONの商品券8枚。 これを8枚使えば、あと160円払えば念願のバイオ4が手にはいるではないか。 少年はすぐに行動に移した。マッハでジャスコに走り、エスカレーターを駆け上がり、ゲーム売り場にたどり着く。 息を切らせながら、少年はバイオ4のケースを探す。 上から・・・ドンキーコンガ、マリオパーティ、ゴールデンアイ、ナルト激闘忍者対戦3・・・ 「・・・」 「・・・」 「・・( ̄_J ̄)ん?」 ・・・なくね? ないよね。 あれ?でも・・ やっぱりないか。。 バイオ4がない。 なんでないんじゃあ!!!!!(爆発) 少年は血相を変え、レジへ疾走する。 あまりにもダッシュしてしまったため、レジから2mほど行き過ぎてしまったほどだ。 レジの姉さんに話す。 「あの~、GC版のバイオハザード4ありますか?」 「少々お待ちください」 そう言うとレジの奥にあるゲームが山ほど入ったのケースを開けて中を確かめる。 そのあと、インターホンへ向かい、誰かと話をしている。 何か・・声にならないものが、足の裏を伝わりこみあげてくる。まさか・・・ しばらくしてインターホンを切ると、レジの人が言った。 「すいません、バイオハザード4はこの店では取り扱っておりません」 ? ?? 何? そんなことがあってたまるかぁ! とりあえずないものはなく、結局少年は立ち去ることに決めた。 しかし少年はふと思い出した。 そうだ!まだTSUTAYAがある!! ところがすぐに、「上手く行かない」という事実が浮かんだ。 そう。彼が持っていたのは現金ではなく、8000円分のジャスコ商品券だったからだ。 少年は、密かに心に決めた。 ・・・やるしかねぇ。うまい棒作戦をやるしかねぇ!!! 少年はまた疾走を始めた。今度は1回の食品売り場だ。通りすがりに素早く買い物カゴを手にとり、 そこに8個のうまい棒を投げ込み、レジへと向かった。レジの担当はオバサンだった。 『あの、すいませんこれ1回ずつ1000円分の商品券で買いたいんですけど』と言った。 オバサンは微笑しつつ、「待ってて」と言い他へ相談しに行った。ヒマだったのでむこうに目をやると、 さらにオバサンが2人増えてて、さっきのレジ担当は携帯でどっかに電話かけていた。 何分かで帰ってきて(OKだった)、取引が始まった。 オバサンが1個目のうまい棒をカゴから取り出し、『ピッ』とやる。 『10円です』 1000円分商品券を財布から1枚出す。 『1000円分商品券いただきます-990円のお返しです』 おつりをもらう。とりあえず財布に入れた。 『ありがとうございました』 オバサンが2個目のうまい棒をカゴから取り出し、『ピッ』とやる。 『10円です』 1000円分商品券を財布から1枚出す。 『1000円分商品券いただきます-990円のお返しです』 おつりをもらう。最終的に財布に入りきらないと直感した少年は、おつりをジャンパーのポケットへいれる。 『ありがとうございました』 オバサンが3個目のうまい棒をカゴから取り出し、『ピッ』とやる。 『10円です』 1000円分商品券を財布から1枚出す。 『1000円分商品券いただきます-990円のお返しです』 おつりをもらう。ジャンパーのポケットに無造作につっこむ。 『ありがとうございました』 オバサンが4個目のうまい棒をカゴから取り出し、『ピッ』とやる。 『10円です』 1000円分商品券を財布から1枚出す。 『1000円分商品券いただきます-990円のお返しです』 おつりをもらう。ジャンパーのポケットに無造作につっこむ。 『ありがとうございました』 オバサンが5個目のうまい棒をカゴから取り出し、『ピッ』とやる。 『10円です』 1000円分商品券を財布から1枚出す。 『1000円分商品券いただきます-990円のお返しです』 おつりをもらう。ジャンパーのポケットに無造作につっこむ。 『ありがとうございました』 オバサンが6個目のうまい棒をカゴから取り出し、『ピッ』とやる。 『10円です』 1000円分商品券を財布から1枚出す。 『1000円分商品券いただきます-990円のお返しです』 おつりをもらう。ジャンパーのポケットに無造作につっこむ。 『ありがとうございました』 オバサンが7個目のうまい棒をカゴから取り出し、『ピッ』とやる。 『10円です』 1000円分商品券を財布から1枚出す。 『1000円分商品券いただきます-990円のお返しです』 おつりをもらう。ジャンパーのポケットに無造作につっこむ。 『ありがとうございました』 そしてとうとう・・ オバサンが7個目のうまい棒をカゴから取り出し、全ての体力を絞り出し『ピッ』とやる。 叫ぶ。『10円です』 遊戯王カードを繰り出す要領で1000円分商品券を財布から1枚出す。 オバサンも身構え、口を尖らせる。『1000円分商品券いただきます-990円のお返しです』 おつりをもらう。オバサンから目を離さず、静かにジャンパーのポケットを開け、ゆっくりとおつりをいれる。 オバサンがガクッと地面に膝をつき、そして言い放った・・・『ありがとうございました』 少年はすぐにTSUTAYAにとって返した。息をすることも考えず、 ただ黙々と本能のままにチャリをこぎまくる。 そしてTSUTAYAに到着。あった。とうとう見つけた!!サンプルを手に取りレジに持っていく。 『8020円です』 「ちょっと小銭ばっかりですけど、お願いします」 そしてレジのバイトのぉ姉サンに渡した小銭は・・ 500円 8枚!!! 100円 32枚!!! 50円 8枚!!! 10円 32枚!!! 合計~? 80枚!!!ブラボー!!! 出してるときに途中でいくらだしたかわかんなくなって、なんども店員サンと数え直してしまった。 店員サンも楽しんでたようだし、まぁ良かったとしよう。 帰るときにも、後ろのほうで「すごいね~」とか話してるのが聞こえたけど聞こえなかったことにする。 完結 |